ドアの向こうには舜くんがいるはずなのに…会えないこの感じが苛立ちを覚える。
絶対生きなきゃ許さない。
何分経ったのかわからないけど…受付で「橘舜の母です」と言ってる女性の方を見つけた。
横には父親と思わしき、男性の方がいる。
けど、挨拶するほどの時間は与えられなくて…私は立ち尽くしたまま看護師さんとご両親が目の前を通り過ぎた。
どうしよう。
このまま会えないなんて事があるのかな…
そんなことならどうしよう、
私は椅子に座ったけど、涙と震えが止まらなくて自分の膝に伏せたまま耐えるしかなかった。
色々なことが走馬灯のように浮かんでくる、
私が、今日デートしようと言わなければ…
私の住んでいる駅の最寄りで待ち合わせをしてなければ…
昨日、遅くてでも舜くんの家にいれば…
後悔ばかりで、舜くんに申し訳ない気持ちだった。
『…どうしよう』
私は、1人でいるのが怖くて…柚香にLINEをした。
『ゆず、起きてる?』
すぐに返信は来なかったけど、少し経った頃に「今起きたよ、昨日はありがとう〜」とLINEがきた。
居ても立っても居られなくてすぐに電話をした。
龍生といたら…何て考えられず、今は自分のことしか考えられなくて、とりあえず安心材料が欲しかった。
「凛、どうした?」
『助けて』
「今どこ?」
『◯◯病院』
「何で病院なの?ちょっと待ってて、すぐ行く」
そう言ってくれて、安心したけどやっぱり怖くて震えが止まらなかった。
止めようとしても…
会えなかったらどうしよう何て縁起の悪いことばかり考えてしまった。