手始めにシューティングゲームとやらに挑戦してみたものの、結局技術を要するため、終始全く歯が立たず。
しかも、容赦なく襲い掛かるゾンビ達が怖過ぎて、ほぼ何も出来ずにその場で固まっていた。
そうこうしていると、九割方八神君の成果により、何とかクリアすることが出来、私はホッと胸を撫で下ろす。
「ねえ、八神君。お願いだから、今度はもう少し心にゆとりを持てるものがいい」
ゲーム初心者に対して配慮も何もない選出に、ふつふつと小さな怒りが沸き起こり、頬を膨らませながら抗議してみる。
「あー、分かったよ。それじゃあ、次はあんたが選べ」
てっきり要望を無視されるのかと思いきや。
意外にもすんなりと受け入れてくれたことに意表を突かれ、一瞬目が点になった。
選べと言われても……。
周囲を見渡せば、どれも動きが激しそうなものばかりで気が引けてしまう。
とりあえず、理由はどうあれ、せっかく来たのだから、自分も何か楽しめるやつはないかと探していたところ。
ふと視界に入った、何やら大きな太鼓がふたつ並んでいるゲーム機。
見た限り、音楽に関するゲームなのか。
見た目もポップで可愛らしく、抵抗感が低そうな気がして、私は太鼓の前で立ち止まった。