けたたましい騒音が耳を打つ。
これまでに聞いたことがない程の大音量がそこかしこで響き、会話がよく聞こえない。
「だから、もう少し銃を持つ手首を持ち上げて、相手の頭狙って。だから、そうじゃねえよ。……マジであんた壊滅的に下手だなっ!」
けど、私を罵倒する声はよく聞こえたので、眉間に皺を寄せて八神君を睨みつけた。
「仕方ないでしょ!そもそもゲーム自体人生初なんだから!」
そして、悔しさと思い通りにいかない歯痒さに、つい口調がキツくなってしまう。
「は?アプリでもしたことないの?あんた何処の時代の人?」
すると、今度は珍種でも見るような目を向けてきたので、益々虫の居所が悪い。
ここは、学校から歩いて十分弱くらいの距離にある古びたゲームセンター。
彼に付き合えと言われて、為す術もなく大人しく付いてきたものの、これまでの人生の中で縁もゆかりもなく。
そもそもゲームセンターとは何があるのかよく知らずに店内に入った途端、私は衝撃を受けた。
兎に角、五月蝿い。
あまりにもゲーム音が五月蝿すぎて、咄嗟に耳を塞いでしまう程。
店舗内にはこれまで見たこともない大きな機械が所狭しと並んでいて、車を運転する機械やら、ダンスを踊るような機械の他。
大きな太鼓がふたつ並んだ機械が置いてあったりと。
視界に入るもの全てが初めて見るものばかりで、興味をそそられるけど……。
だがしかし、兎に角五月蝿い。
店舗内は私達みたいな学生がちらほらいるけど、何だか柄の悪い人達ばかりで、全く落ち着かない。