「美月、体はもう大丈夫なの?」
亜陽君はベット脇に設置された椅子に腰掛けると、不安げな表情で私の顔を覗き込んでくる。
「う、うん。なんとか。まだあちこち痛いけど、少しなら動けるよ。……それより、亜陽君学校は?」
やはり、亜陽君に優しくされると心は正直に反応してしまい。
疼く気持ちを抑えながら、私は首を横に傾げた。
「美月が目を覚ましたって聞いて飛び出してきたんだ。君が昏睡状態の間ずっと生きた心地がしなかったから……」
そう胸の内を明かしてくれる亜陽君の目はとても切なげで。
そんな表情をされてしまうと、更に心が締め付けられる。
「心配かけて本当にごめんなさい。私、亜陽君に迷惑ばっかり掛けてるね」
紆余曲折あったけど、何だかんだ私が彼を掻き乱している事実は変わらないので、再び襲ってくる罪悪感に押しつぶされそうになる。