あーあ。

結局私は何がしたかったんだろう。

幼い頃から亜陽君のお嫁さんになるのが夢で、これまで必死になって頑張ってきたのに。

八神君という破天荒な人にかき乱され、全てが狂わされて。

けど、その先にようやく自分というものが見えてきて。

それを分かってもらいたかったけど、亜陽君も両親も説得することが出来なくて、家出して、余計に事を拗らせて。

その責任すら取れないまま、私はここで人生を終えてしまうのだろうか。



これじゃあ、本当にただの身勝手でバカな娘だ。

八神君みたいな人を目指していたのに、全く足元にも及ばない。


まだ見つけた可能性を何も証明していないのに。

やっと、やりたいことを見つけたと思ったのに。

死んだら、何も出来ない。 


いくら夢を見たって、私の時間はそこまでで。

夢は永遠に夢のまま、本当の自分と向き合うことすら出来ない。



いやだ。

死にたくない。


私は、まだ私を知らないのに。


もっと見つけたい。

もっと新たな世界を見てみたい。


そして、私のための“幸せ“をこの手でしっかりと掴んでみたい。


愛しい彼の隣で__。