こうして亜陽君のお陰で無事に保健室まで辿り着くと、中で待機していた先生が私達をベッドまで案内してくれた。

本当はあと少しだけ彼と居たかったけど、流石にここでイチャつくことは出来ず。

亜陽君は優しく私をベットに寝かすと、隙を見て額に軽くキスを落とした後、直ぐに体育館へと戻って行ってしまった。


彼が居なくなり寂しが襲う中。
ふと次に控えていた卓球の試合を思い出し、後から罪悪感が押し寄せてくる。

それに、八神君と亜陽君の試合も最後まで見届けることが出来なくなり、つくづく最悪のタイミングで貧血を起こしてしまったと、自分を呪った。

とりあえず、今はまだ動けないので、私は渡されたペットボトルの水を少し飲んでから、再びベッドに潜り込んだ。

昨日はよく眠れなかったし、水分もあまり摂っていなかったので、それがいけなかったんだと痛感しつつも、折角だから時間が許す限り仮眠を取ろうと、静かに瞼を閉じた。