これまで色々な場面で比較し続けて。

優越感に浸ったり、驚かされたり、打ちのめされたりしたけど。

そんな彼から言われた”同じ”という言葉が、渦巻いていた複数の感情を一つに纏めてくれたようで。

私という存在をしっかりと見てくれているようで。

じんわりと温かい気持ちに包まれ、自然と口元が緩みだす。


「ねえ八神君。もし迷惑じゃなければ、またお手伝いに来てもいい?」


またあの場所へ行けば、何かが見出せそうな気がして。


……でも、それだけじゃない。


振り返れば、今日一日とても充実していて、イベントの時と同じような疲労と達成感という快感が私の体を支配して、自信へと繋げていく。

それに、店長や二階堂さんを始め、新たに築かれた人間関係をもっと大切にしたくて。

初めて自分で見つけた新世界にもっと浸ってみたくて。

私は期待を込めて八神君の透き通った瞳をじっと見詰めた。