そう。

彼女の言う通り、今日のことを亜陽君には一言も話していない。

というか、言えるはずがない。

これ以上彼を怒らせてしまったら、それこそ取り返しのつかないことになりそうで。

一体どんな行動に出るのかは分からないけど、これからはより一層慎重に行動しなければいけないと。そんな危機感が湧いてくる……



…………。


………………違う!!


これじゃあ、本当に浮気みたいになっている!


今日はお肉。

美味しいお肉を食べに来た日。

それが今回の目的であって、八神君は何も関係ないから!


「渚ちゃん。今日は死ぬ気でお腹いっぱい食べましょう!」

「へ?……あ。は、はい!そうですね!」

そう結論に至った私は、雑念を振り払うため意気込んでみたら、思いの外力み過ぎてしまったようで。

そんな勢いに押された渚ちゃんは一瞬目が点になったけど、すぐさま私に同調してくれて力強く頷いてくれた。