成り行きで来てしまった。

いつかそのうちになんて思っていたけど。

というか、行く気は殆どなかったけど。

来て欲しいなんて言われたら、断れるわけがない。

しかも、思わぬところで八神君とID交換しちゃったし……。


「倉科副会長大丈夫ですか?可憐なるお顔が先程からずっと強張ったままですよ」

すると、暫くの間考え込んでいると、渚ちゃんの不安げな声ではたと我に帰る。

「もしかして、今日のこと九条会長には話してないんですか?」

そして、見事痛いところを突かれてしまい、条件反射に肩が小さく震えてしまった。

「あ……えっと……はい」


やっぱり流石は渚ちゃん。

言わなくても、ものの数分でこちらの心境を察知してしまう能力は、相変わらず恐れ入る。