確かに、私達は物心が付いた頃から道は決められていた。

それをこれまで忠実に守り続けている。

だから、彼の言うこともよく分かる。

それに、亜陽君は気付いているのかもしれない。
私が、八神君に揺れ動いていることを。

そうだとしたら、私はもうこれ以上彼を不安にさせるようなことを言ってはいけない。


私が操り人形なら、亜陽君だって同類。

二人で一つの調和を保ち続けているのに、私の我儘でその糸を狂わせたら、きっと亜陽君だって巻き添えをくらってしまうかもしれない。


そう思うと、やっぱり一人道に外れるのはルール違反な気がして、結局私は素直に頷くことしか出来なかった。

それから、間髪入れずに河原木君が生徒会室に入ってきて、またもや白い目で見られると、私は気恥ずかしくなって自分の席へと戻る。



こうして人が続々と集まり、いつものように会議が始まる。

プロジェクトの進行具合は順調で、方針が決まり、学校の許可も下りたので、あとは実際外部団体に掛け合ったり、必要な資機材や飲食の確保だったりなど。やることはまだ山積み状態。

なので、会議が始まれば色々考えなければいけないことは沢山あるので、いつの間にやら頭はプロジェクトのことで一杯になっていた。