会場に入ると、辺りはお肉を焼く香ばしい匂いで充満していて、食欲が一気に掻き立てられた。
しかも、この日のために気合を入れて朝はスムージーだけにしといたので、今直ぐにでもお腹に何か入れたいくらい。
「凄いです。三大牛がこの価格で食べれるんですね。宮城の牛タンも欠かせないですし、あとは馬刺しとジンギスカンも絶対に外せませんね!」
その隣で、渚ちゃんは目を輝かせながら会場で配っていたパンフレットを広げ、次々と目標地点を定めていく。
その数は私の想像を遥かに超えていて、いくらお腹に余裕を持たせてきたとはいえ、全部食べるのは恐らく不可能な気がしてきた。
それから、ある程度お店のピックアップが終わり、私達は手始めに三大牛を目指そうと試みるも。
このイベントの目玉商品らしく、かなりの長蛇の列が出来ていたので、ここは一旦引くことにした。
その代わり、二番目に狙いをつけていた三元豚のお店でウインナーや豚バラの塩焼きやらを買い、早速会場の中心に設置されたイートコーナーで商品を広げる。
「美味しいですね。値段相応かと思っていましたけど、この価格でこれだけの品質を提供出来るなんて、人気なのも頷けます」
「本当ですね。これも味付け塩だけですけど、甘味が十分引き立ってるし、油も美味しいし、最高です!」
そして、それぞれのお肉を摘みながら、各々の感想を述べていく。
出だしが好調なだけに、私達は期待に胸を膨らませると、一店舗目のお肉をあっという間に平らげ、早速次の店舗へと向かった。