「、、、綾川が助けてくれたんでしょう?」

痛む背中を擦りながらゆっくり上半身を起き上がらせ、真っ直ぐ綾川の目を見つめる。

「ねえ、2年前なんで何も言わずに留学に行ったの?それに何でパーティーにいたの?」

2人きりの今なら何でも聞けそうな気がしてそう尋ねる。

「別に、大した理由なんてねぇよ。お前と遊ぶのに飽きただけだし、、、パーティーも京極に誘われたから来ただけだ」

だけど綾川は顔を逸らし、低い声でそう答えた。

さっきの騒動で髪が乱れているけど、相変わらずその横顔は綺麗だった。

「なんだよ、そんなにじっと見て、、、もしかして俺に惚れでもしたか?」

おどけた口調で綾川が言った。

「うん」

気づけば私は笑顔でそう答えていた。

「助けてくれたときの綾川かっこよかったから、惚れちゃったかも」

綾川のことを見つめてそう言う。

なぜこんなにも素直に言えるのかわからないけど、もしかしたら2人だけのこの空間だからなのかもしれない。

「え?は?何言ってんだよ、お前!御曹司をからかうんじゃねえ!ばーか!!!」