「最悪なドブカスたちだね。、、、でもよかった。今回ので全員逮捕だし」

「ああ、そうだな」

「ところでここはどこ?」

一通りタワーの疑問が解決したところで今いる部屋を見渡しそう尋ねる。

「会場になってるグランドホテルの一室を貸してもらったんだ」

なるほど、通りでこのベッドはふわふわだと思った。

普段私が一人暮らしの部屋で使っている折りたたみ式ベッドとは比べ物にならない。

「会場は大丈夫なの?爆発で崩れたり、、」

「多少ステージの床とか壁に傷がついたくらいで、そんなに大惨事にはなってねえよ」

綾川の言葉に、今日何度目かわからない安堵のため息をついた。

そして、ふと彼の右手の甲に擦過傷があることに気付く。

ああ、そうか。単に私の運が良いだけで助かったわけでは無いのだ。