ハプニングはあったものの、何とかステージ裏に戻ってきた私の顔を見て、京極くんはぎょっとした。

「なんでそんなにやつれてるの!!?」

一体何があったのかと心配そうに問いかけてくる京極くんに、私は頑張って笑顔を作る。

「緊張してきちゃって、、、」

京極くんはこのパーティーに綾川が来ることを知っていたのだろうか?、、、というか知らないのなら綾川はただの不法侵入者だ。

ならば、京極くんは今日あいつがここに来ることを私に黙っていたということだろうか。

「ねえ、、、」

思い切って京極くんに声をかけようとしたその時、、、

「もう少しでパーティーが始まるけど準備はどうだい?」

ステージ裏に京極くんのお父さんが歩いてきた。

直接会うのは今日で5回目くらいだけど、相変わらずイケおじだ。

パーティーの準備を手伝ってくれて、経費の支援までしてくれた京極くんのお父さんには感謝してもしきれない。

大手アイス会社の社長ということもあり、私が心の底から尊敬する人物でもある。

「こんばんは!もう準備万端ですよ!」

さっきまでの自分が嘘に思えるほど元気な声が出た。

「いろいろと世話になったよ。ありがとう」

京極くんも軽く頭を下げて笑った。

そろそろお偉いさんたちが到着する時間だろうと言うことで、私たちは入口で待つことにした。