間に合わなかった、、、。

会えないなんて車から出た時には分かりきってたはずなのに、、、いざこんな風に現実を突きつけられるとこうも胸が苦しくなるものなのだろうか。

「言いたいこと、たくさんあったのに、、、」

目の前の光景が涙で滲んで、語尾が掠れる。

「紬ちゃん、、、」

そっと肩に手を置いてくれた京極くんの背丈が綾川と同じくらいなことに、こんな時気付いて、溢れ出てくる涙が止まらなかった。

「大丈夫。2年もすれば帰ってくるよ」

「帰って、、、くるのかな?」

そもそも帰ってきたとして、綾川は私と会ってくれるのだろうか?

「当たり前だよ。あいつは綾川財閥を継がなくちゃいけないんだから。すぐに会えるよ」


綾川はもういないのに、しばらく空港の前で立ち尽くしたまま私は動けなかった。

そんな私に京極くんが何度も励ましの言葉をかけてくれたことだけが救いだった。