「今日はありがとう。すごく楽しかった!」

まだお昼過ぎだけど、好きなだけ工場を見尽くした私は京極くんに手を振った。

「こちらこそ楽しんでもらえて良かったよ」

たまに冗談は言ってきたものの、終始スマートだった京極くんに見送られ、気分よく工場を出る。

「商品開発の件、どうかな?」

工場を出て少しして、京極くんにさりげなくそう聞かれる。

「まだ考え中。でも、やろうかなって思ってる」

私の言葉に、京極くんはパッと嬉しそうな顔をした。

「ありがとう!そう言ってくれて嬉しいよ!ただ、、、実は俺から1つ紬ちゃんに言わなきゃいけないことがあるんだ。黙っていようと思ってたけど、絶対このままじゃダメな気がして、、、」

「言わなきゃいけないこと、、、?」