「、、、は?綾川??」

たしかにパーティーで一緒にいたけれど、付き合っていると勘違いされるようなことをしただろうか?

「私はアイツと付き合ってなんか無いし、私を拉致したところで何にもならないでしょ」

「とぼけても無駄だぞ!早乙女の令嬢から情報はたっぷり貰ってるんだからな!」

はあ?早乙女?
トイレで私に喧嘩を売ってきたあの嫌な女のことだろうか。
こんな嫌がらせをしてくるなんて、本当に性根が腐っている。

「1万歩譲って、仮に付き合ってたとして何なの?どういう目的があって私をこんな男だらけのむさ苦しい場所に誘拐したのかってさっきから聞いてんじゃない!!!!!」

後半は怒りが爆発して、今ならこの男たち全員なぎ倒せそうだというほどの勢いがついてしまった。

もちろん、無理だったけど。

「おい、あんま反抗的な態度取ってるとどうなるかわかってんだろうな?」

男達から抑える手を強められ、思わずうめき声が漏れる。

「俺らだってこんなことしたくねぇよ。でも全部アイツが悪いんだ、、、お前を失えばアイツだって苦しい思いして、俺らと平等になるだろ?」

「、、、平等?」

この男達は一体何の話をしているのだろう。

力でか弱い私をねじ伏せている時点で、平等などという言葉を軽々しく口にしていい立場では無いと思う。

そんなことを考えていると、その男は昔のことを思い出しながら言うような口ぶりで話し始めた。