「やっぱりアイスは美味しい、、、」

綾川の側から逃げてきた私は、1人でアイスの食べ比べをして楽しんでいた。

何十種類も並べられたアイスを1口ずつ掬って堪能していく。

別に綾川なんていなくても、私はパーティーくらい1人で楽しめるんだから。

「このバニラすごく濃厚、、、!」

いくつものアイスを口にしていくうちに、大体どのアイスが美味しいものなのか把握できてきた。

「ん?このアイス、何味なんだろう、、?」

ふと、テーブルの端っこに置かれた桃色のアイスが目に入り、思わず手に取った。どんな味なのかワクワクしていたのもつかの間、、、

「、、、不味い、、」

好奇心に駆られてそのアイスを口に運んですぐ、そう呟いてしまった。

なんだこのアイスは。

パサパサだし味も薄いし、とても高級なものとは思えない。

どうしてこんなところに並べられているのだろう。

いや、庶民の私には分からないだけで、本当はとてつもなくお高いものなのでは、、、?

そう考えた私は、もう一度だけ食べてみようとスプーンを持ち直した。