「はぁ…」



あいつは溜息をついた



溜息つきたいのはこっちのほうなのよ!!



私は袖で涙を拭いた



「お前に一つ言い忘れてたんだど、須本家男子が契約する時必ずこういう仕来りがある」



また仕来りかよ!!仕来りが多い家だな…



「どんな?」



「『契約する時は惚れてはならぬ、惚れさせるべき』ってな」



「はぁ!?」



それってあんまりあんたらの契約と違わないじゃん



だってこの契約だって、私があんたに惚れるまでずーっと続くんでしょう?



「だから、契約するってことは須本家男子もその女にさいっしょから興味がないってこと。もし、好きだったら全力で我がものしてるはずだし」



あっそ、確かに私は変な理由で勝手に無理やりだったもんね



「それで、その間須本家男子は契約している女子には惚れてはならないって」



「へぇー」



じゃあ、契約してない女子には惚れてもいいのかよ



突っ込みどころ満載な仕来りだな



でも、なんでいきなりそれを私に言うんだろ