本題を出すために少し口元を引き締める。



「なあ、さっき、俺のこと見て、げっつったよな?」

「…あ、」

「あれ、なんで?」

「えっと……ついこの間、夜市くんのあまりよくない噂聞いたばっかで」

「へえ、どんな?」

「夜市氷牙に目つけられたら最後、落とすまで弄んで、落ちたらポイっていう…」

「ははっ」



本人の前で意外と堂々と言うもんだから、笑ってしまう。


なるほどな、そーいうわけ。


確かに中学の時にそういう遊びというか賭けみたいなのもしたことはある。

今は面倒でやってないけど。



「安心しろよ、俺にもちゃんとタイプってもんがあんの」


そう言うと、梅野は少し目を見開いて、ふーんと頷く。

その興味の欠片もなさそうな相槌に若干イラつきを覚える。