「俺、不安にさせてるか?」

「ううん。夜市くんの気持ちわかってるけど、時々聞きたくなるの」

「……じゃ、言う」



え、言うの?

なんて驚いた一瞬で、さっきより抱きしめる力が強くなる。

そしてぱっと離されたかと思うと、今度は肩に手を置いた夜市くんが真正面からわたしを捉えた。




「好き、梅野が……好きだよ」

「…っ」



焦点は合ってるはずなのに、ゆらゆらと忙しい瞳はなんだか可愛い。思わず胸がぎゅっとなって顔が綻ぶ。



「嬉しいっ」

「……あー、」



項垂れた夜市くん。

また、首に温度が乗る。




「めちゃくちゃ恥ずい…」

「ふふ、でもたまには言ってね?」

「ん、わかった」




梅野が不安になるなら言う、と。
さらっと欲しい言葉はちゃんと落としてくれる夜市くんが今日も好き。