健気で可愛い、そう言う周りと違って、いくら微笑みかけられても興味すら湧かなかった相手からの大きすぎる好意を、気持ち悪いと思ってしまった。
耐えきれなくなってこっぴどく振れば、クラスのやつらに最低だのなんだの言われて。
どうせ終わらせるのに優しさなんていらない。
面倒事を避けるための予防線として、その日から、関わりを持つなら、あくまでお遊びだってことを理解してくれる女としかつるまなくなった。
俺の容姿に寄せられる眼差しを利用して、割り切った関係になれんなら可愛がってやると、甘い言葉を淡々と落とすのにも慣れてきた頃には、自分が最低だなんてことはとっくに自覚済みだった。
散々クズだと言うくせに、いつものように女は群がるし、べつに日常はたいして変わらない。
「実際、調子乗ってたよね」と俺が振った女はだんだん避けられ、それを面白がるように笑う男共も全員、クズなんだと思う。
俺の中学時代はそんなもので。
同情されるような過去なんてのは、まるっきりない。
逆にあったら、クズでも許されるって?
バカみたいだ、そんなのは。