おー、救世主。


俺たちの姿を見ても動じることなくパタンと閉めたのは、この保健室の主。



「またあなた?いい加減にしないと、限定で立ち入り禁止にするわよ」

「はは、すみません」



テキトーがばればれ。
そう言いたげな目でシッと手で払う仕草をされる。



「ほら、どけよ」

「え〜もう、いいとこだったのに」



おまえだけな。

俺にとっては好都合。

これで伸び伸びと寝れる、そう思っていたのに、なぜか腕に絡まる手。



「カーテン閉めれば、問題なくない?」



そう言って、ふふふと笑った女をどうしようもなく冷めた視線で見下ろす。


悪いが、俺には、誰かに見られながらっていう趣味はねーよ。


説明すら面倒で、どかっと音を立ててベッドから足を出す。

そのままドアを開けて廊下に出た。