キスされたことを思い出す度に顔どころか耳まで赤くなるし動悸が激しくなるが、豹牙さんに対する嫌悪感は湧かない。

それどころか宙に浮いているかのようにふわふわするのだ。


このまま物思いにふけそうになったが、2人と目が合って我に返った。


「あ、今の発言は忘れてください」

「いや無理だろ」


浬がそうバッサリ切り捨てながら背もたれによりかかった。


「嫌じゃないのはキスが?それとも豹牙が?」

「・・・分かりません」


上手く答えが出せず項垂れる私の隣に裕次郎さんが座り直した。



「よ〜しじゃあ試してみよっか」

「っは?」



裕次郎さんは慣れた様子で私の顎を手にとった。

そして裕次郎さんの顔が徐々に近づいてき────。



ゴッ