ややあって告げる。



「確かに全てのきっかけは豹牙さんに誘われたことでした。でも私はもう【黎明】ではなくとも、自分一人で歩けることを知っています。その上で豹牙さんと一緒にいたいんです」



ここで言葉を切り、豹牙さんの前で片膝をついた。



「あなたは私にとって、この世で一番大切な人だから」



この言葉を豹牙さんがどう受け取ったのかは分からない。

ただ、これが私の思いつく最大限の告白だった。

豹牙さんは何も言わずに私を見つめ返した。

その瞳には不安なんてもう残っていなかった。






回想を終え、何故あやなの豹牙さんは完璧という発言に引っかかったのか理解できた。

私は豹牙さんの脆い部分を知っていたからだ。

そしてその部分を知っているのは私だけだろう。