「・・・それは俺がお前を【黎明】に誘ったからか」
無機質な声で発せられた言葉に瞠目した。
今まで豹牙さんに誘われたから、その義理としてずっと一緒にいると思われていたのか。
そんな、寂しい言い方・・・。
豹牙さんの言う通り、最初は義理を通すためだったのかもしれないが今は違う。
一緒にいるうちに豹牙さんの強さ、信念、選択、言動、価値観全てに魅了され、共に歩むことが私の意思に変わっていた。
でもそれをちゃんと口に出していなかったことに気づいた。
これでは誤解されたままでも仕方ない。
ちゃんと私の口から伝えないと。
そのために豹牙さんの前に立った。
普段なら後ろから追い抜くなんて絶対にしない。
だからこそ、豹牙さんの全意識を私に向けることが出来た。