交差点を右に曲がったところで1台のバイクとすれ違った。
あれ?今の・・・。
何故だか分からないが、今のバイクに違和感を抱いた。
あっ、そういえば後部座席がなかった気がします。
いや普通のバイクはないイメージがありますね。
でも豹牙さんのバイクには最初から後部座席があった。
それに私用のヘルメットも用意されていた。
ということは、つまり──。
「・・・豹牙さん」
「どうした」
「私のために2人乗りできるバイクを買ってくださってありがとうございます」
そう言うと豹牙さんが私を一瞥した。
「・・・いつから気づいてた」
「今しがた」