「「「お疲れさまです、総長!!!」」」



幹部も構成員も皆一様に頭を下げる。

豹牙さんが私たちがいる場所よりも1段高い玉座に腰を下ろしたところで姿勢を正した。


豹牙さんは今日も見た目麗しい。

光の輪を作っている芯の強い黒髪。

一応女性である私と比べても遜色ないほど整ったまつ毛に縁取られた、光の加減で紫黒色にも紺色にも見える不思議な夜空色の瞳。

キリッとした眉毛にシャープな輪郭、薄く艶っぽい唇。

まさに神が創りし最高級の芸術品。

滅多に笑わないせいで時々眉目秀麗な人形のようにも思える。

容姿端麗かつ頭脳明晰──であることに違いはないが、こんな凡人が簡単に思いつくような言葉では言い表せないほど崇高な方。


今でこそ私は目を合わせても怖気づかなくなったが、構成員たちは相変わらず目が合わないようにやや下を向いている。