「意識・・・?」



あやなの言っている意味が分からなくて脳内にはてなマークが浮かび上がった。


豹牙さんはあやなを姫だと認識していても、そこに恋愛的な"意識"は含まれていない。

もし豹牙さんがあやなに特別な感情を抱いていたら、真っ先に私が気づくはずだ。


訝しがる私を見たあやなは、ハッと我に返った顔をした。



「あっ、すみません!自惚れてますね、ごめんなさい・・・!でもでもっ、前より近くで守ってもらえるようになったんですよ!」

「それはよかったですね」



確かに豹牙さんとあやなが初めて会った日はあやなはその場にしゃがみこんでいたそうだが、今回は豹牙さんの後ろに立って守ってもらっていた。


進歩といえば進歩だ。


少しずつではあるが、あやなは豹牙さんと距離を縮めようとしている。