そう言われ、改めて状況を振り返った。
いつもだったら5人で大きめなロースターを1つ使うが、今日は6人いるので豹牙さん、あやな、私と裕次郎さん、浬、賢人の2手に分かれて小さめなロースターを使うことになった。
そこで私はいつも通り豹牙さんと自分のお肉を焼き、ついでにあやなの分も焼いていたのだ。
あやなはそんな私を気遣ったらしい。
「気にしないでください。私がしたくてしているので」
ほらカルビ焼けましたよ、と渡すとあやなは遠慮がちに受け取った。
まだ何か言いたそうだったが、わざわざこちらから詮索するのはやめておこう。
そんな私の心を読んだのか、左隣の裕次郎さんにちょいちょいっと肩をつつかれた。
まるで「いいの?」と訊かれたみたいだ。
それを無視してウーロン茶を飲んだ。
あやなが何を言いたかったのか大体察しはつく。