豹牙さんは決して歩みをとめないけど、私が着いてこれてるのか確認するように、時々スピードを緩めてくれる。
だから、
豹牙さんの歩んだ道を、私も歩けている。
てっきりタクシーを呼んで焼肉屋に行くと思っていたが、連れてこられたのは寮の裏にある駐車場だった。
いくら中高生の集まりといえど【黎明】も立派な暴走族。
バイクぐらい高校生にもなればみんな持っている。
まぁ私はまだ16歳になっていませんし、なったとしても教習所に通うお金がないので乗れませんが。
豹牙さんは自身のバイクに鍵を差し込みながら、私にヘルメットを投げてきた。
「お前、乗りたがってただろ」
「!」
そういえば豹牙さんが免許をとってから1年が経った。つまり合法的に2人乗りができるということ。