だがテスト問題を教えるのはアウトだ。

それがまかり通ってしまえば【堕天】の時代のようにお金でテスト問題を横流ししたり賄賂で成績を買うことになる。

それは教師も困るでしょうに、全く・・・。



「なんて顔してんだ」

「っ、はい?」



思わず顔をしかめると豹牙さんに右のほっぺたをつねられた。手加減されてるから痛くはない。

豹牙さんは僅かに眉を寄せ、不満そうな顔をしている。



「・・・もう少し喜んだらどうなんだ。経緯はどうであれ首席はお前だ。よくやった」

「ありがとう、ございます」



豹牙さんが頬をつねるのを辞め、輪郭をなぞり始めた。

じんわりと安堵感が全身をつつんでいく。

思わず頬を擦り寄せると、豹牙さんの口角が微かに上がった。



あぁそうだ。

不正に気を取られていたが、私は無事首席の座を守り抜けたんだ。



豹牙さんに言われてようやく実感が湧いた。


そしていつものように自身の成果を報告する。