その女性とは環あやみ──あやなの母親だった。
そのことも含め脅迫・・・いや尋問したところ、環あやみの娘であるあやなに気に入られたくてテスト問題を全て教えたらしい。
ここまで聞いてふとあやなの言葉を思い出した。
──先生に色々教えてもらって頑張った甲斐がありました・・・!
「・・・・・・あやなは"勉強を"教えてもらったのではなく"テスト問題を"教えてもらったってことですか」
「そうだな。だがハゲメガネ曰くあの女に『ここがテストに出る』とは言わずに問題の解き方だけ徹底して教えたらしい」
「なるほど・・・」
つまりあやなは何も知らずに「やった!先生に解き方を教えてもらった問題がちょうど出た・・・!」ぐらいにしか思っていない、と。
教師も人間だからお気に入りの子がいるのは理解できる。