見ると、周りの構成員たちは頬を赤らめていた。
そんな中私は一人、自身の居場所が奪われたかのように錯覚していた。
私とあやなでは立場が違うにもかかわらず、みっともなく。
だって浬を軽くあしらうのも、豹牙さんに自身の成果を報告するのも、いつも私だったから・・・・・。
私は今まで、身長が伸びただとかいつもよりたくさん喧嘩に勝てただとかテストで首位をとっただとか、そんなことがある度に、豹牙さんに一番に報告してきた。
そして豹牙さんはどんなに小さいことでもきちんと褒めてくれた。
でも、今日はそれが出来ない。
私は総合では首席だが、豹牙さんと同じように全教科首席になることが出来なかったから。
しかもよりによって私が一番得意な数学でその座を逃した。
私は驕っていたのかもしれない。
そう実感した途端、身体の先から冷えていくような気がした。