そして興奮冷めやまない様子で口を開いた。



「ご、ご覧になられましたっ!?わたし、一番苦手だった数学で、首席になれたんです!」



心臓がドクリ、と重くはねた。


そう、私たちが固まった理由は数学の首席が私ではなかったからだ。


再び周囲がどよめく。

あやなは気づいていないらしく、満面の笑みで話を続けた。



「先生に色々教えてもらって頑張った甲斐がありました・・・!」

「・・・・・・おめでとうございます」



ややあってお祝いの言葉だけを紡いだ。

ここで悔しがる素振りを見せてしまえばより惨めになると分かっていたから。


賢人は無言でことの成り行きを静観している。


あやながまた口を開けたタイミングで視界の端で道が開けるのが分かった。

あやなはそちらを振り返り、太陽のような明るい声を出した。