そして今日はテストの順位が貼り出される日。
例年通り広場に向かうと、何やらいつも以上にどよめいていた。
賢人と私の存在に気づくと皆がサッと左右にわかれた。
その道を悠々と歩き、掲示板の前に立つ。
総合順位の首席には当然の如く私の名前があった。
賢人もギリギリではあるが上の下にランクアップしていた。
これは快挙だ。
次に教科別の順位を見ていくと、ある教科のところで視線が止まった。
「─────は?」
思わず低い声がもれた。
賢人も隣で「おいおい嘘だろ・・・」とおどろきをこぼす。
他の生徒たちは固唾を呑んで私たちの一挙手一投足を注視していた。
そんな重苦しい空気を破ったのは【黎明】の姫こと、あやなだった。
「冴妃さん!賢人さん・・・!」
この雰囲気に似合わない明るい声で私たちの元へ駆け寄ってくる。