「まぁたまにはサボっていいだろ。今日はピザでも取るか」

「あーいいっすね」



そう言いながら賢人はスマホでメニューを調べ始める。


いやいやいやあなたは勉強しろ。


すると豹牙さんが「これは没収な」としれっと賢人のスマホを抜きとった。

「えっ」じゃないですからね賢人。


それから上座に豹牙さん、左右に分かれ向き合う形で賢人と私が座り、勉強会もどきが始まった。

豹牙さんは意外と面倒見がいい。

「分かんねーところが分かんねーです」と抜かす賢人に
「ふざけてんのか」と言いつつも、一から丁寧に教えている。

頬杖をつく仕草も教科書を指す指も、全部綺麗だ。

つい見入っていたら目があった。



「こっち見てないで集中しろ」

「ぅ、すみま──」

「え〜なに楽しそうなことやってんの?俺も混ぜて」