「・・・・・・・・・あの、豹牙さん」
「どうした」
ギギギ、と音がしそうなほどぎこちなく横を向く。
「何でキッチンに電気ケトル以外何もないんですか」
「料理しないからな」
「え、じゃあ今までどうしてたんです?」
「食堂かコンビニかデリバリー。あとインスタント系をテキトーに」
4年越しに明かされた事実に開いた口が塞がらない。
何でもそつなくこなす豹牙さんのことだから、当然自炊もしているものと思っていた。
・・・あぁでも思い返してみれば、みんなで焼肉を食べたときもタコパしたときも豹牙さんは何もしてなかった。
あれは豹牙さんは総長だから何もしないのだと思っていたが、まさか料理ができないからだったとは・・・・・・。