「・・・それさっき聞いたな。夢じゃなかったのか」

「はい」


首を縦に振ると豹牙さんは「裕次郎のやつ・・・」と恨めしそうに吐き捨てた。



「私で不安でしたから今すぐにでも裕次郎さんを連れて来ますよ」



一応裕次郎さんが私で大丈夫だと判断したので大丈夫だとは思うが、念には念を入れておいて損はない。

踵を返してドアに向かおうとする私の腕を豹牙さんが掴んだ。



「いやいい。お前が裕次郎に頼まれたんだろ」

「じゃあ夕飯でも作りますね。うどんとお粥、どっちがいいですか?」

「粥」

「了解です」



早速調理に取り掛かろうとキッチンに立ったが、思わぬ光景を前に固まった。