熱があるくせに力の強さは顕在だ。



「え、豹牙さん?もしかして寝ぼけてます?」

「うるさい。静かにしろ」



そう言われましても・・・。


後ろからぎゅーっと抱き締められ身動きが取れない。これじゃあ抱き枕だ。


看病しに来たからには冷えピタを替えたりご飯を作ったりしたかったんですけど・・・。


豹牙さんの要望通りしばらくこうしていると、肩にすぅすぅと規則正しい息がかかるようになった。


この隙に抜け出そうとしたが、昨日のようにはいかなかった。
寝てしまった分手加減ができないらしい。


力勝負で勝てないことは分かりきっているので諦めて抱き枕に徹することにした。


背中に感じる豹牙さんの体温はやっぱり熱かった。


私が気づかなかっただけで昨日も体調が悪かったのかもしれない。