浬が「眼鏡狐」と本人に向かって悪態をつく気持ちがよく分かる。


大人な雰囲気かかっこいい、眼鏡と目元のホクロの組み合わせがえちえちだと何も知らない女子たちが騒いでいるが、その実、裕次郎さんが一番悪ガキだ。


一応ずば抜けた医療知識を持っているので大目に見ているが。






裕次郎さんへの不満をつらつら並べているとあっという間に榊館に辿り着いた。


そしてエレベーターに乗りカードキーをかざしてから最上階のボタンを押した。
これは侵入者防止のためにホテルでも行われていることで、数年前に浬の案で採用した。


そのおかげで幹部が住まう最上階には私たち以外は一切立ち入れない。


まぁ私たちは構成員の階にも行けるんですけどね。
そこでの治安維持は特注の監視カメラに一任しているので行ったことありませんが。


最上階に到着し、またカードキーをかざし部屋に入る。

靴は豹牙さんの物しかなかった。