これは間違いなく何か悪巧みしている顔だ。


「・・・豹牙さんが頼ったのは裕次郎さんでしょう?」


だから勝手に変えるなという意味を込めても裕次郎さんはぶれなかった。


「でも俺より冴妃が行った方が豹牙も喜ぶよ」


ほらほら〜とビニール袋を目の前でガサガサと揺らしてくる。

最年長のくせにこういうところは子供っぽい。


「・・・喜ぶかどうかは知りませんが、とりあえず分かりました」


私たちが駆け引きしている間にも豹牙さんは苦しんでいるのでここは私が潔く折れた。


「うん。よろしく」


こうすれば私が承諾するとわかっていた裕次郎さんは飄々と笑った。