「おら、さっさと終わらせるからネクタイ出せよ」

「え・・・?」


ネクタイ・・・?

その言葉の意図が上手く読み取れなくて首を傾げると、賢人さんは眉をひそめた。


「そのネクタイは【黎明】の一員である証だ。そんな代物を追放されたヤツらに持たせておくわけにはいかねーだろ」


そ、そうだったの・・・?た、確かに香菜子ちゃんがそんなことを言っていた気がする。

ちらりとわたしをここまで連れてきてくれた男の子たちの方を見ると、みんな悔しさと悲しさが混じりあった顔でネクタイを握りしめていた。

そんな顔させたのは・・・わたし?

そう思うといてもたってもいられなくなって、賢人さんを見上げた。


「あ、あの!わたしのことは追放してくださって構いません!でも、この人たちはわたしのワガママに付き合ってくれただけで、何も悪くありません!ですのでどうか追放だけは・・・!!」

「何で俺がお前のワガママを聞くと思ってんだ?」

「えっ・・・?」


その言葉は以前豹牙さんに言われたものと全く同じだった。