私があやなに危害を加えると思っているのか。

あやなの後ろに控える構成員たちに視線を向けると、皆一様に怯んだ。

そんな調子でよくあやなのナイト役を引き受けましたね。私の視線ひとつで動けなくなるくせに。


「それで、話とは?」


気を取り直してそう問いかけると、あやなは胸の前で手を組んで私の前に出た。その瞳は悲しみに濡れている。


「お願いです!香菜子ちゃんの追放を取り消してください・・・!」

「何故?」

「えっ・・・?だっ、だって香菜子ちゃんはわたしの友達だから・・・・・・」

「それが追放を取り消す理由にはなりませんよ」


幹部の総意で決まったことを覆すためには、それ相応の理由を挙げてもらわないと。

上の者が感情だけで動いていたら組織は成立しない。


「まぁそうは言っても追放した理由を知らないと納得もできないでしょう」

「えっ?ま、前に冴妃さんとケンカしちゃったからじゃないんですか・・・?」