けれど私はそれどころではない。


「い、今・・・身体が、変な感じになって、それにビックリしてしまい・・・・・・」


こんなこと今までなかった。

豹牙さんのことを好きになったから、身体に何か変化が起こったんでしょうか・・・?

なんとも言い難い気まずい時間が流れる。

豹牙さんは唖然のした後、歯切れが悪そうにこう切り出した。


「あー・・・お前、子どもの作り方って知ってるか?」

「えっはい。保健体育で習いました」

「・・・それだけか?」

「えぇ」


どうしていきなり子どもの話を?

そんな疑問を感じとった豹牙さんは呆れた様子で頬をさらりと撫でた。


「じゃあ明日までにネットで子どもの作り方について調べてこい。これは命令だ」

「? 承りました」


この日の夜私は知ることになる。

子どもの本当の作り方を。
そして自分の身に何が起こったのかを。

それらを知ったとき、もう豹牙さんの顔を見れないのではないか心配になるほどの羞恥心に襲われ、その後数日間豹牙さんを避ける羽目になった。

裕次郎さんや浬はそんな私を「好き避けかぁ」「冴妃は初々しくてかわい〜ね」と揶揄ってきて癪に触ったが反抗しても無駄なので無視した。
唯一の良心は「誤解が解けてよかったな」と言ってくれた賢人だけだった。

そんなこんなで勉強合宿(仮)は終わりを告げた。