ふぅ、と一息ついたところで喉の乾きを自覚した。
緑茶飲みたいなぁ・・・。
下に降りて水道水を飲めば済む話だが、今は緑茶の気分なのでそれに従おうと思う。
湿った夜風にあたりながらコンビニへと足を運ぶ。
満月は昨日よりも欠けていたけれど、視界をぼやかせばちゃんと満ちて見えるから、この世の中に確かなことなんて何も無いんじゃないかと錯覚しそうになる。
こんなスビリチュアルなことを言いたくなるのは非現実的な環境にいるからか、それともあのコメント欄を思い出したからか・・・────。
あぁ、嫌なことを思い出した。
・・・・・・。
齋藤香菜子の小説サイトにはコメント欄が解放されており、大半がヒロインの恋を応援する内容だった。
でも中には悪役──私への非難もあった。そりゃ悪役なのだから悪く言われるよう書かれているけど、それ以外にも私の立場に対するの声もちらほら。
『男ばっかの暴走族で女が幹部とかその時点で卑怯な手を使ってそう笑』
『男に囲まれて姫扱いされて気分良かったのにその座をほかの子に取られて嫉妬に狂ったんだろうね』
『嫌なことがあっても部下の男にヨシヨシされてそう』
『ゲーマーの姫プ女と同じで草』
とか・・・言い出したらキリがない。