「へぇ?結構面白いね、君」

一体かなではどうなっちゃうの・・・!?



─────バタン

見るに耐えなくてパソコンを閉じた。

読むのは2回目だがなかなか刺激が強い。あらすじですら正直キツい。

齋藤香菜子の書いた小説を簡単にまとめると、あやねと氷牙、かなでと裕一郎が結ばれる恋愛ものだ。

漢字の読み方や文字の替え方から察するに、氷牙は豹牙さん、あやねはあやな、かなでは香菜子、裕一郎は裕次郎さんのことだろう。

他にも2組のカップルを冷やかしつつ応援する賢人(けんと)海里(かいり)も出てくる。どっからどう読んでも賢人(けんしん)と浬のことだ。

更に醜い嫉妬で場を乱す悪役として早妃(さき)──私が出てくる。

そして物語の中では氷牙と裕一郎の逆鱗に触れた私が追放されるらしい。

現実では私の手によって香菜子が追放されたがな。

全く・・・皮肉なものですね。


中には実際に起きた【堕天】との抗争や私たち幹部の何気ない一日も綴られているし、他にも登場人物の年齢、身長、髪と瞳の色、身体的特徴も完全に一致していた。