それが原因で私に不満を持つ者は今までに何人もいたが、大半は古株たちが私に従うのを見て逆らったらマズいと察していた。

ごく稀に香菜子のように直接不満をぶつけられることもあったが、その度に返り討ち、もしくは追放してきた。

残念ながら今回も例外ではない。


「私だけ何をしているのか教えてもらえない。だから誘惑して勝ち取った地位だと結論づけた・・・と。いくらなんでも早計すぎませんか?」


香菜子の眉がぴくりと動いた。私の言葉を挑発と受け取ったらしい。


「あなたには少々妄想癖があるようですね。──だから破滅するんだよ」


私が敬語を辞めた途端、周りの温度が一気に下がった。

特に古株たちは完全に青ざめている。

別に語気を強めたわけじゃない。ただ淡々と告げただけだ。