海にいる人は昨日よりも少ないが、半数近くは楽しそうに騒いでいる。

2日連続泳ぎまくるって体力どうなってるんでしょう・・・。

その光景を横目に見ながら海岸沿いを歩く。時折私に気づいた構成員たちからの挨拶を返しながら悠々自適に。


「お疲れ様です!冴妃さん!」

「はいお疲れ様です」


今回も目線だけ寄こしそのまま通り過ぎようとしたが「あのっ!!」と呼び止められた。

浬さんの隊に所属している女子2人組だ。


「? 何です?」

「えっと・・・総長とお付き合いされてるって本当ですか!?」

「──は?」


驚きのあまり身体ごと振り向いた。

一体何の話だ。

目をきらきらさせている彼女らには悪いが、その期待には応えられない。


「ガセネタですね。情報源はどこですか?」

「え?さっき姫がみんなに言ってて・・・」


姫・・・あやなが?豹牙さんのことが好きな彼女が何故そんなことを?