「あなたと同じ、裕次郎さんの隊に所属していて、先程からこちらをチラチラ見ている人ですよね」

「あ、そうです!」


言葉に詰まったところを補足すると、あやなは安心したようにふわりとした笑みを浮かべた。

でもそれもすぐに萎み、眉尻を下げる。



「あの・・・冴妃さん。──ごめんなさい!」



謝罪と同時に、地面につきそうなほど頭を下げられた。

完全に中間テストのときのデジャブだが、今回は前回と違って周りの視線が集まったので居心地が悪い。

しかも何故謝られたのか思い当たる節がない。


「・・・何に対しての謝罪ですか?」

「その、この前、わたしが身の程知らずなのことを言ってしまったので・・・ごめんなさい!」


あぁ、そのことですか。


「そう思うなら頭を上げてください。この目立ち方は好きではありません」

「はい・・・」



あやなは恐る恐る頭を上げ、伏し目がちに反省を吐露していく。

このとき、周りの雰囲気は完全にあやなの味方だった。